シロアリ被害で本当に地震に弱くなる?耐震性との関係をチェック
「シロアリは本当に危険?」
「そこまでお金をかけてシロアリ予防対策する必要ある?」
本記事はこんな方に向けて実際の地震と建物倒壊、シロアリ被害との関係性や『被害にあった木材の強度』は本当に落ちるのかなど、地震大国の日本で木造住宅に住む方全てに知っておいてもらいたい、シロアリと地震について解説しています。
シロアリ被害は建物の耐震性を落とすか?
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
床下から基礎に近い部分の木部をシロアリは食害していきます。
ですので結論から言うと残念ながら明確に耐震性を落としてしまいます。
阪神・淡路大震災後の調査結果を元に詳しく解説します。
阪神淡路大震災の建物倒壊状況
阪神・淡路大震災では全壊家屋が104,906棟、半壊家屋が144,274棟と甚大な被害をもたらしました。
亡くなられた方の80%以上が建築物の倒壊・損壊による圧死であったと言われています。
断層からの距離や地盤の種類、住宅の構造や築年数、屋根の重さとあわせて、シロアリ被害が住宅の被害の激しさと明らかな関係性があることがわかっています。
シロアリ被害と建物倒壊状況
日本建築学会近畿支部による大掛かりな調査がその後行われました。
下のグラフは神戸市東灘区にける蟻害(シロアリによる食害)のありなしと、建物の損壊状況をまとめたものです。
蟻害がない建物でももちろん全壊しているものが多くありますが、蟻害(シロアリによる食害)ありの場合はそのほとんどが全壊もしくは半壊となってしまっていることが見てとれます。
シロアリ被害と木材の強度について
シロアリと地震時の倒壊についての関係性はご理解いただけたと思いますが、では実際シロアリによる食害は木材の強度をどの程度落としてしまうのでしょうか?
実際にシロアリに食害された木材の強度試験では、断面が16%減少した木材において、圧縮強度と曲げ強度は約50%に低下していました。
つまり見た目に食べられている印象以上に木材の強度は弱くなってしまっているということです。
シロアリひいては地震から自宅を守るために
シロアリ予防の新築時での一般化とベタ基礎の普及によって築年数が浅いうちのシロアリ被害は減少しています。
ただ逆に5年経過後の再処理必要性の意識が低くなってしまっている事は非常に大きな問題となっています。
しろあり対策協会では防除薬剤の期限を5年としています。
5年経ったら即座にシロアリ被害にあう訳ではありませんが、少しの経費で将来の大きな損失を防ぐことができます。
定期的なシロアリ予防対策を忘れないようにしてください。
失敗しないシロアリ専門業者の探し方・選び方
シロアリ専門業者も千差万別です。
鉄則は1社だけでは判断しないこと。
その提示価格が相場価格と比べて適正範囲なのか1社だけでは素人には判断ができません。
まずは無料の床下調査をしてもらうのですが、その際の所作、自宅への配慮の仕方、調査結果の報告の方法や詳細さを確認してみてください。
シロアリ予防対策の大半は床下での作業で自分でその仕上がりをチェックすることはできません。
極端なことを言えば全く何もしていないものもやりましたと報告されてしまえばわからない可能性があります。
床下調査に来た方が、工事当日も作業者になるケースは非常に稀ではありますが、やはり一事が万事という言葉あるように、ある程度相関があります。
自分の目で信頼に足る業者だと判断する為にも、床下調査時になるべく観察することをオススメします。