シロアリはなぜ家を食べる?主食は?ヒノキなら被害に合わない?
「シロアリは何で家を食べるの?」
「シロアリ予防対策のためにまずはシロアリの事を知りたい」
本記事はこんな方に向けてシロアリの特性や、好みなどから予防対策についての参考点やシロアリが食べない木材はないのかなど、日本で木造住宅に住む方全てに知っておいてもらいたいシロアリの生態を解説しています。
シロアリはなぜ家を食べるのか?
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
シロアリはなぜ私たちの大事な家を食べてしまうのでしょうか?大きく分けると3つの理由があります。
- ① シロアリは二次性穿孔虫だから
- ② シロアリの主食・栄養源がセルロースだから
- ③ 一戸建てのほとんどは木造だから
それぞれもう少し詳しく説明します。
①シロアリは二次性穿孔虫だから
生きてる木を食べてしまう虫を一次性穿孔虫。
枯れてしまった木や衰弱してしまった木を食べる虫を二次性穿孔虫と言います。
シロアリは生木を全く食べないということではないのですが、基本的には二次性穿孔虫です。
つまり生きた木は食べず、腐った木、枯れた木、そして木材として加工された木が餌となるのです。
②シロアリの主食・栄養源がセルロースだから
木の細胞壁は、セルロース約50%、ヘミセルロース約20%、リグニン約30%で構成されています。
植物は全てセルロースを主たる構成成分として含んでいます。
もしかしたらこのセルロースは聞いたことがある人も多いかもしれません。
セルロースは水や油に溶けず、「不溶性食物繊維」に分類され食品添加物としても使われているからです。
人間の消化酵素で分解されず、直接吸収もされませんが、シロアリはこのセルロースを消化吸収する仕組みを体内に持っており、このセルロースこそがシロアリの主食なのです。
③一戸建てのほとんどは木造だから
もし仮に日本の住宅がプラスチックなどシロアリが食することのない材質で作られていたならば、シロアリ被害はそもそも存在しませんでした。
しかし日本の住宅は、もとい世界の住宅はその主たる構成部材は木です。
もちろん生木ではなく、伐採し、加工された木ですので、残念ながら二次性穿孔虫たるシロアリの主食で作られているのです。
シロアリが食べない木はないのか?
ヒノキやヒバはシロアリに強いという話をどこかで聞いたことはないでしょうか?
本当に強いのか、強いならなぜ強いのか、そして本当にシロアリに食べられないのかを見ていきます。
シロアリは硬い木材よりも柔らかい木材を好む
まず第一にシロアリは硬いよりは柔らかい木材を好みます。
同じ木材でも生長著しい春から夏にかけて形成された部分は早材と言い、細胞壁の密度が低く、秋から冬にかけて形成された晩材に比べて柔らかくなっています。
ですのでシロアリは晩材よりも早材部分を好んで食します。
被害にあった木材を切断して見た時に同心円状に食い荒らされているのは、柔らかい早材部分だけを食べられているからです。
シロアリが好まない成分を含んだ心材がある
木は中心部を心材、周辺部を辺材と呼び、心材は既に全ての細胞が死んだ状態で、辺材は生きています。
木材はセルロース等以外の主要成分意外に、各樹木特有の二次代謝成分が含まれており、辺材が心材に変化する段階でこの二次代謝成分が生成され、心材に蓄積します。
この中心部の心材部分に耐蟻性(シロアリが好まない)をもつ成分がある木が一部存在します。
有名なのはαカジノ―ルを含むヒノキ、メタノール可溶成分を含むヒバなどです。
シロアリはヒノキでも辺材は普通に食べる
ヒノキの心材は耐蟻性があり決してシロアリに食べられない訳ではないですが、食べられにくい、被害に合いにくいのは間違いありません。
しかし残念ながらそれは心材に限っての話で、辺材は成分がないので食べられてしまいます。
住宅に使われている木材が心材部分だけを使用されているならまだ安心なのですが、丸いところから角型に切り出すので辺材は含まれてしまっている事が多いのが現実です。
シロアリは床下の木以外は食べないのか?
基本的にシロアリは床下から家に侵入してくるので、床下の木から食べていきます。
ですのでシロアリ防除は床下対策がメインになります。
ところがその加害習性からシロアリは3つに分類されるのですが、日本で一番シロアリ被害を及ぼすヤマトシロアリとイエシロアリは地下シロアリ、
そして残りの2つが乾材シロアリと湿材シロアリのうち乾材シロアリも被害を及ぼします。(湿材シロアリは原則建物に被害を及ぼしません)
ダイコクシロアリとアメリカカンザイシロアリに代表される乾材シロアリは、土との関連を全く持たず、飛んで移動し屋根裏などの上部木材に被害を与えます。
まだ地下シロアリの被害に対して乾材シロアリの被害は10~20%と小さいので、まだあまり知られていませんが、非常にやっかいな種類で日本でも今後被害は拡大していくと予想されています。
失敗しないシロアリ専門業者の探し方・選び方
シロアリ専門業者も千差万別です。鉄則は1社だけでは判断しないこと。
その提示価格が相場価格と比べて適正範囲なのか1社だけでは素人には判断ができません。
まずは無料の床下調査をしてもらうのですが、その際の所作、自宅への配慮の仕方、調査結果の報告の方法や詳細さを確認してみてください。
シロアリ予防対策の大半は床下での作業で自分でその仕上がりをチェックすることはできません。
極端なことを言えば全く何もしていないものもやりましたと報告されてしまえばわからない可能性があります。
床下調査に来た方が、工事当日も作業者になるケースは非常に稀ではありますが、やはり一事が万事という言葉あるように、ある程度相関があります。
自分の目で信頼に足る業者だと判断する為にも、床下調査時になるべく観察することをオススメします。