シロアリ駆除は自分でできる?その方法は?DIYのメリット・デメリットは?プロに頼むと費用と効果はどう違う?

自宅で羽アリや不審な土の筋(蟻道)を見つけたら、不安になるのは当然です。
「これってシロアリ?どうしたらいい?高額な費用がかかるって聞くけど、自分でできる?」と、頭の中は疑問でいっぱいでしょう。
シロアリは、目に見えない場所で静かに大切な家を蝕む「見えない敵」。
放置すれば、取り返しのつかない事態になることもあります。
この記事では、シロアリ駆除は本当に自分で行えるのか、その具体的な方法から、「自分でやる」場合のメリット・デメリット、そしてプロに頼んだ場合の費用や効果の違いまで、あなたの疑問に全てお答えします。
大切な家を守るための第一歩として、ぜひご一読ください。
なおシロアリ対策についてはこちらでまとめてます。
シロアリ駆除を「自分で」行う方法
「シロアリが出た!でも、まずは自分で何とかしたい」と考える方は多いでしょう。
ホームセンターやドラッグストアには、手軽に購入できるシロアリ対策グッズが多数販売されており、これらを活用することで、ある程度の対処は可能です。
しかし、これらの方法が持つ効果と限界を理解しておくことが非常に重要です。
自分でできるシロアリ駆除の具体的な方法
市販されているシロアリ対策薬剤は、その用途や特性によっていくつかのタイプに分けられます。
ご自身の状況に合わせて選び、使用方法をよく確認しましょう。
ホームセンターやドラッグストアで買える対策グッズの種類と使い方
スプレータイプ(直接噴射・予防散布用)
- 特徴:シロアリを直接見つけた場合や、蟻道(土のトンネル)の表面に噴射して一時的に駆除するのに適しています。
手軽に扱えるのが最大のメリットで、小さな被害や初期の対処に用いられます。
木材表面に予防的に塗布する目的で使用できる製品もあります。 - 選び方:即効性の高いものや、ある程度の残効性が期待できるものなど、製品によって特徴が異なります。
屋内で使用する場合は、低臭性や、人体・ペットへの影響が少ないとされる成分(例:ピレスロイド系)の製品を選ぶと良いでしょう。 - 使い方:シロアリの群れや蟻道に直接噴射します。
予防散布の場合は、製品の指示に従って均一に塗布します。
顆粒タイプ(土壌散布用)
- 特徴建物の基礎周りの土壌に撒くことで、シロアリの侵入を防ぐ「バリア」を作ることを目的とした製品です。
シロアリが薬剤の上を通ると、その成分が体に付着し、駆除される仕組みです。 - 選び方: 効果の持続期間(例:数ヶ月~1年)や、雨による流れにくさなどを確認しましょう。
- 使い方: 基礎に沿って一定の幅で均一に散布します。製品によっては、軽く土に混ぜ込むことで、より効果が高まるものもあります。
くん煙剤・蒸散剤(屋内用)
- 特徴:部屋全体に薬剤を充満させ、屋内のシロアリや羽アリを駆除するタイプです。
特に羽アリが大量発生して室内に飛び交っている場合に有効です。 - 選び方: 使用する空間の広さや、効果の持続時間に応じた製品を選びます。
- 使い方:使用説明書をよく読み、定められた時間、換気をせずに薬剤を充満させます。
使用中は人やペットの立ち入りが制限されるため、事前の準備と使用後の換気が必須です。
毒餌タイプ(ベイト剤・設置型)
- 特徴: シロアリの習性を利用し、毒餌(ベイト剤)を専用の容器(ステーション)に入れて設置します。
シロアリがこれを巣に持ち帰り、仲間にも分け与えることで、巣全体を根絶することを目指します。 - 選び方: 屋内用と屋外用があり、設置場所に応じて選びます。
- 使い方:シロアリの活動箇所や侵入が疑われる場所の近くに設置します。
定期的な観察とベイト剤の補充が必要です。
ハッカ油や木酢液などの自然由来の忌避剤の効果と限界
「化学薬剤は使いたくない」という方の中には、より自然な成分でシロアリ対策ができないかと考える方もいるでしょう。
ハッカ油や木酢液といった自然由来の忌避剤がその代表例です。
ハッカ油
- 効果:シロアリが嫌がる清涼感のある臭いを持つため、水で希釈してスプレーしたり、布に含ませて置いたりすることで、一時的にシロアリを寄せ付けない効果が期待されることがあります。
特に、シロアリの侵入が疑われる場所(窓枠、ドア枠、換気口など)に予防的に使うことがあります。 - 限界:あくまで「忌避(寄せ付けない)」効果が主であり、既に侵入しているシロアリを駆除する効果はありません。
また、臭いが薄れると効果も失われるため、非常に頻繁な再塗布・散布が必要となります。
根本的な解決には繋がらないことを理解しておく必要があります。
木酢液
- 効果:木炭を焼く際に出る液体で、独特の煙臭を持ちます。
これを薄めて土壌や木材に散布することで、シロアリを寄せ付けない効果が期待されることがあります。 - 限界:ハッカ油と同様に忌避効果が主であり、シロアリを駆除する力は期待できません。
また、濃度や散布方法によっては、庭の植物や土壌環境に影響を与える可能性も考慮が必要です。
注意点
これらの自然由来の忌避剤は、シロアリを完全に駆除したり、住宅への侵入を長期的に防いだりするほどの力はないと考えられています。
あくまで補助的な予防策として、または一時的な心理的安心を得るための手段として活用するのが賢明です。
既に被害が発生している場合や、本格的な予防対策としては、これらの方法だけに頼るのは非常に危険です。
市販の薬剤の共通の限界
市販の薬剤は、手軽に使える応急処置や軽微な予防には有効ですが、シロアリの巣(コロニー)の根絶は非常に困難です。
シロアリは地中深くに大規模な巣を作るため、表面的な処理では根本的な解決には繋がりません。
誤った使い方をすると、シロアリを刺激して被害を拡大させたり、薬剤の過剰な使用による健康リスクを招いたりする可能性もあります。
したがって、市販の薬剤はあくまで「一時的な対処」や「限定的な予防」として活用し、シロアリの兆候が見られた場合は、早めに専門業者に相談することを強くお勧めします。
「自分でやる」メリット3選

① 初期費用が圧倒的に安い
シロアリ対策を自分で行う最大の魅力は、なんといっても初期費用を安く抑えられる点です。
専門業者に依頼する場合と比べ、ホームセンターやドラッグストアで市販の薬剤や対策グッズを購入するだけなので、数千円から数万円程度の出費で済みます。
費用を理由にシロアリ対策をためらっていた方にとっては、手軽に始められる選択肢として、このコスト面のメリットは非常に大きいでしょう。
② 緊急時の応急処置ができる
自宅で羽アリの大量発生や、壁に不審な土の筋(蟻道)を見つけた際、プロの業者を呼ぶまでに時間がかかる場合があります。
そんな時、自分で応急処置ができるのは大きなメリットです。
市販のスプレー剤などで目の前のシロアリや羽アリを一時的に駆除したり、蟻道を軽く触らずに観察・記録したりすることで、被害の拡大を一時的に抑制し、パニック状態を和らげる時間を稼げます。
これにより、落ち着いて次の行動を考える猶予が生まれます。
③ 業者のスケジュールにしばられることがない
専門業者にシロアリ対策を依頼する場合、日程調整が必要となり、時には数日~数週間待つこともあります。
しかし、自分で対策を行う場合は、業者のスケジュールに縛られることがありません。
休日の空いた時間や、仕事の合間など、自分の都合の良いタイミングで床下の点検や薬剤の散布などの作業を進めることができます。
自宅に業者を招き入れることに抵抗がある方や、プライバシーを重視したい方にとっても、自分のペースで作業できる点は大きな利点となるでしょう。
「自分でやる」デメリット9選

① 費用や手間がかさむ可能性
自分でシロアリ対策をすると初期費用は抑えられますが、長期的に見ると結果的に費用や手間がかさむ可能性があります。
市販薬剤の効果は限定的で、繰り返しの購入と散布が必要。これは薬剤費や道具代に加え、時間的コストもかかることを意味します。目先の節約が、かえって大きな負担となるリスクがあるのです。
② 根本的な解決が難しい:巣の根絶はほぼ不可能
市販の薬剤やDIYでは、目に見えるシロアリを駆除できても、建物の奥深くや地中に隠れている巣を完全に根絶することは困難です。
巣が残っている限り、シロアリは活動を再開し、被害は水面下で進行し続けます。
根本的な解決に至らないため、不安がつきまとうことになります。
③ 被害を見落とす可能性が高い
専門知識がないと、シロアリの種類特定や、壁内部など見えない場所の被害、活動範囲を正確に把握することは極めて困難です。
素人の調査では見落としが発生しやすく、被害が進行していることに気づかないまま、適切な対処が遅れるリスクが高いのです。
④ 被害の修繕が難しい
シロアリが出た=被害を受けてます。そのため修繕が必要です。
基礎や基盤など、床下に被害が出た際の修繕はプロでなければ非常に困難で、
放置するとご自宅の耐震や耐久に非常に悪影響を及ぼしてしまいます。
シロアリ駆除を自社で施工を行っている企業であれば、シロアリ被害を受けた個所の修繕まで一緒に行って頂けます。
⑤ かえって被害を拡大させるリスク
安易なDIY駆除は、かえってシロアリ被害を拡大させてしまう危険性があります。
不適切な薬剤使用や中途半端な処理は、シロアリを刺激して分散させ、被害範囲を広げてしまうことがあります。
これにより、後のプロによる駆除もさらに困難になるという、最悪のシナリオを招くことにもなりかねません。
⑥ 再発リスクが極めて高い
巣の根絶ができないため、自分で対策を行った場合、高確率でシロアリが再発します。
市販薬剤の効果は一時的であり、巣が残っていれば必ず活動を再開します。再発した場合は、再度自分で対策を行うか、プロに依頼することになりますが、その際には被害が進行しているため、初回よりも高額な費用がかかる可能性が高くなります。
⑦ 保証がない:再発時の費用は全額自己負担
自分でシロアリ対策をした場合、施工後の効果に対する保証は一切ありません。
専門業者なら5年間の保証がつき、再発時は無償対応が一般的です。
しかしDIYでは、万が一再発しても、薬剤費や修繕費などすべての費用や手間を自己負担しなければなりません。
長期的な視点で見ると大きなデメリットです。
⑧ 安全性の確保が難しい
シロアリ駆除薬剤は効果が高い反面、人体やペット、環境への影響も考慮が必要です。
専門知識がないまま使用すると、健康被害や環境汚染につながる危険性があります。
特に床下のような換気不足の閉鎖空間での作業は、薬剤が充満し健康リスクを高めるため、安全管理は非常に難しい問題です。
⑨ 住宅の資産価値低下につながるリスク
シロアリ被害を放置したり、不完全なDIY対策で進行させたりすると、住宅の耐久性は低下し、資産価値を大きく損なうことになります。
地震や台風への抵抗力も失われ、倒壊リスクも高まります。
将来売却する際も、被害があれば評価が下がり、大幅な値下げを要求される可能性もあります。目先の節約が長期的な損失に繋がるのです。
賢い選択へ:自分でやる vs プロに頼む、費用と効果の徹底比較
DIY対策で費用を抑えることの「落とし穴」
一見、シロアリ対策を自分で行うことは、費用を大幅に抑えられるように思えます。
ホームセンターで数千円の薬剤を購入し、週末にDIYで作業すれば、初期費用を節約できたように感じるでしょう。
しかし、この「費用を抑える」という発想には、大きな「落とし穴」が潜んでいます。
目先の費用節約が招く将来の高額な修繕費用
DIYでシロアリ対策をしても、その効果は限定的です。
シロアリは建物の内部や地中で活動するため、自分で巣を完全に根絶するのは極めて困難です。
表面的な駆除にとどまれば、被害は水面下で静かに進行し続けます。
結果的に、数年後には柱や土台がボロボロになり、住宅が致命的なダメージを受けていることに気づくかもしれません。
そうなれば、当初のDIY費用をはるかに超える莫大な修繕費用が発生するリスクがあるのです。
誤った対策による住宅の耐久性低下リスク
不適切な処理は、シロアリによる住宅の劣化を止められず、建物の耐久性を着実に低下させます。
木材が弱くなれば、地震や台風といった自然災害への抵抗力も失われ、最悪の場合、倒壊のリスクも高まります。
これは、住宅の寿命を縮めるだけでなく、将来的な資産価値の減少にも直結します。
プロに依頼する費用相場と、確実な効果がもたらす安心
一般的な戸建て住宅(30~40坪程)のシロアリ駆除であれば、10万円~25万円程度が相場です。
確かにDIYに比べれば初期費用は高くなりますが、プロに依頼することで得られる「確実な駆除」と「巣の根絶」、「安心感」は、この費用に見合う、あるいはそれ以上の価値があります。
また、多くの信頼できる業者は、施工後に一般的に5年間の保証期間を設けています。
この保証期間内にシロアリが再発生した場合、無償で再施工などの対応をしてくれます。
目先の費用だけでなく、将来発生しうる莫大な修繕費用のリスクを考慮すれば、プロによる対策はトータルコストを大幅に抑える賢い投資と言えるでしょう。
まとめ:見えない敵シロアリから大切な家を守るために
シロアリ駆除は長期敵に考えたら「プロに頼む」のが賢い選択
シロアリ駆除を自分で行うことは出来ます。
ただ、自分で行うと費用を抑えることができることが魅力的ですが、目に見えないところにいるシロアリの駆除が難しく、また再発リスクも高いです。
自分で行う際の費用は数千円~数万円。
効果が限定的であり、効果の持続性は数か月~1年程度。
根本的な解決もできず、何度も行う必要があるため、結果的に費用や手間がかさんでしまう可能性があります。
さらに完全な対応はできず、不完全なDIY対策で被害が進行したりすると、住宅の耐久性は確実に低下し、資産価値を大きく損なうことになります。
プロに依頼した際の費用は
30坪~40坪の一般的な2階建ての一戸建て住宅ならば、10万円~25万円。
この費用と、プロによる対処と5年間の保証も付きます。
自分で行うのは「早期発見」「応急処置」に留めるのがオススメ。
長期的に考えたらやはりプロに頼む方が賢い選択と言えるでしょう。
プロに依頼する際は、シロアリ対策パートナーズに問い合わせるのがオススメ
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