シロアリ対策は自分でできる?その方法は?DIYのメリット・デメリットは?プロに頼むと費用と効果はどう違う?
「床下なんて見たことないし、うちの家は大丈夫でしょ?」
そう思っているあなたへ。
自宅のメンテナンスについて考えたとき、多くの方がシロアリ対策について「高額そう…」「自分でなんとかなるんじゃない?」と漠然とした不安や疑問を抱えるかもしれません。
しかし、シロアリは目に見えない場所で静かに、そして確実に大切なマイホームを蝕んでいく「見えない敵」です。
この記事では、
・シロアリ対策は本当に自分で行えるのか
・具体的な方法とは?
・そして、自分でやる場合のメリットとデメリット
を正直にお伝えし、プロに依頼した場合の費用や効果との違いを徹底比較します。
「自分でやる」と「プロに頼む」、どちらがあなたの家にとって本当に賢い選択なのか。
この情報が、大切な家を守るための第一歩となるでしょう。
シロアリ対策を「自分で」行う方法
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
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自分でできるシロアリ予防と早期発見の基本
シロアリ対策において、最も費用を抑えながら始められるのが、日々の暮らしの中で実践できる「予防」と、被害の兆候をいち早く見つける「早期発見」です。
これらは、プロの力を借りずとも、戸建て住宅にお住まいの方なら誰でも取り組める基本的な対策と言えます。
自分でできるシロアリ予防の方法
シロアリは暗く湿った場所を好みます
そのため、自宅の周囲や床下から湿気を取り除くことが、最も基本的な予防策となります。
床下の換気を徹底する
床下換気口の周りに物を置かない、塞がれていないか定期的に確認する。
必要であれば、床下換気扇の設置も検討しましょう。
水回りの水漏れチェック
浴室、キッチン、洗面所、トイレなどの水回りで水漏れがないか、定期的に確認します。
特に見えにくい配管からの水漏れには注意が必要です。
水漏れは木材の腐食を招き、シロアリを呼び寄せる大きな原因となります。
庭の整理整頓と排水
庭に木材、段ボール、古い新聞紙などを直接地面に置かないようにしましょう。
これらはシロアリの餌場や隠れ家になります。
また、庭の水はけを良くし、雨水が建物基礎に溜まらないように工夫することも大切です。
木材の管理
ウッドデッキや木製フェンスがある場合、地面に直接触れないようにブロックなどを挟む、防腐処理済みの木材を選ぶ、定期的に塗装を行うなどの対策を取りましょう。
自分でできるシロアリ早期発見の方法
早期発見は、被害が拡大する前に対処するために非常に重要です。普段の生活の中で、以下のポイントを定期的にチェックしましょう。
床下
懐中電灯を持って床下換気口から覗いたり、点検口があれば中に入って確認したりします。木材に蟻道(土のトンネル)がないか、木材が変色・腐食していないか、空洞音はしないかを確認します。湿気の匂いがしないかも注意しましょう。
基礎・外壁
基礎の表面に蟻道がないか、ひび割れからシロアリが侵入していないか確認します。外壁のサイディングやモルタルに小さな穴が開いていないか、内部の木材に食害の兆候がないかもチェックしましょう。
庭
庭に放置された木材や切り株にシロアリがいないか確認します。特に羽アリの発生時期(ヤマトシロアリは春、イエシロアリは梅雨時期など)には、家や庭の周りを注意深く観察しましょう。羽アリを見かけたら、それは近くにシロアリの巣があるサインかもしれません。
ホームセンターの対策グッズの効果
市販の薬剤(スプレー・顆粒タイプ)の選び方と使い方
市販されているシロアリ対策薬剤には、スプレータイプや顆粒タイプ、くん煙剤などがあります。
スプレータイプ
比較的広範囲に散布でき、手軽に使用できます。
蟻道やシロアリを見かけた場所に直接噴射して一時的に駆除する、または木材表面に予防的に散布する目的で使われます。
顆粒タイプ
土壌に撒いて、シロアリの侵入を防ぐバリアを作る目的で使われます。
くん煙剤
部屋全体に薬剤を充満させ、屋内のシロアリを駆除するタイプです。
これらの薬剤を選ぶ際は、有効成分や効果の持続期間、使用上の注意(特に人やペットへの安全性)をよく確認することが重要です。
使用方法を誤ると、効果が得られないだけでなく、健康被害や環境への影響も懸念されます。
ハッカ油や木酢液などの自然由来の忌避剤の効果と限界
「農薬は使いたくない」という方には、ハッカ油や木酢液といった自然由来の忌避剤が注目されています。
これらの成分には、シロアリが嫌がる臭いや刺激があると言われており、特定の場所に塗布したり散布したりすることで、シロアリを寄せ付けない効果が期待されることがあります。
しかし、これらの自然由来の忌避剤の効果は、科学的に確立されたものではなく、その持続性やシロアリを完全に駆除する力は非常に限定的です。
あくまで「寄せ付けない」ための補助的な手段として考えるべきであり、既に被害が発生している場合や、本格的な予防対策としては不十分である**ことを理解しておく必要があります。
「自分でやる」メリット3選
① 初期費用を安く抑えられる
シロアリ対策を自分で行う最大のメリットは、何よりも初期費用を安く抑えられることです。
専門業者に依頼する場合と比較して、ホームセンターやドラッグストアで市販の薬剤や対策グッズを購入するだけなので、出費を大幅に削減できます。
数千円から数万円程度で始められるため、「まずは手軽に試してみたい」と考える方にとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
② 緊急時の応急処置ができる
羽アリの大量発生など、緊急事態に直面した際に、すぐに自分で応急処置ができる点もメリットです。
業者を呼ぶまでに時間がかかる場合でも、市販のスプレー剤などで目の前のシロアリを一時的に駆除し、被害の拡大を一時的に抑えることが可能です。
これにより、精神的なパニックを和らげ、次の行動を落ち着いて考える時間を確保できます。
③ 自分のタイミングで作業できる
専門業者に依頼すると、日程調整が必要になり、自分の都合と合わないこともあります。
しかし、自分でシロアリ対策を行う場合は、業者のスケジュールに合わせる必要がありません。
休日や空いた時間を利用して、自分のペースで床下の点検や薬剤の散布などの作業を進めることができます。
誰にも気兼ねなく、プライバシーを保ちながら作業したい方にとっては、大きな利点となるでしょう。
「自分でやる」デメリット6選
① 費用や手間がかさむ可能性がある
自分でシロアリ対策を行う場合、初期費用は安く抑えられるかもしれませんが、長期的に見ると結果的に費用や手間がかさんでしまう可能性があります。
市販の薬剤の効果は限定的で、数ヶ月から1年程度で切れることが多いため、定期的な再購入と散布作業が必要です。
これは、薬剤費だけでなく、休日の貴重な時間を何度も費やす「時間的コスト」と「労力」という見えない費用がかかることを意味します。
自分で対策を繰り返すうちに、結局プロに依頼するよりもトータルで高くなるケースも珍しくありません。
② 根本的な解決が難しい
市販の薬剤やDIYの方法では、目に見える範囲のシロアリを一時的に駆除できても、建物の奥深くや地中に隠れているシロアリの巣を完全に根絶することは、ほぼ不可能です。
シロアリは、女王アリを中心に大規模なコロニーを形成しており、巣が残っている限り、何度でも活動を再開し、被害は進行してしまいます。根本的な解決に至らないため、いつまでもシロアリの不安がつきまとうことになります。
③ かえって被害を拡大させるリスク
安易なDIY駆除は、かえってシロアリ被害を拡大させてしまう危険性をはらんでいます。
例えば、シロアリの専門知識がないまま薬剤を不適切な場所に散布したり、中途半端な処理をしたりすると、シロアリを刺激してしまい、より深く、広範囲に分散させてしまうことがあります。
これにより、新たな場所に被害が及んだり、見つけにくい場所へ移動して被害が深刻化したりするリスクが高まり、最終的に高額な修繕費用が必要になるケースも少なくありません。
④ 保証がない
自分でシロアリ対策を行った場合、施工後の効果に対する保証が一切ありません。
専門業者に依頼すれば、多くの場合、5年間の保証期間が設けられており、その期間内にシロアリが再発生した場合には無償で再施工などの対応をしてくれます。
しかし、DIYでは、万が一シロアリが再発しても、すべての費用や手間を再度自分で負担しなければなりません。
この「保証がない」という点は、自分でやることの大きなデメリットであり、長期的な安心を得られない要因となります。
⑤ 安全性の確保が難しい
シロアリ駆除に使用される薬剤は、その効果が高い一方で、人体やペット、環境への影響も考慮する必要があります。
専門業者であれば、薬剤の特性を理解し、適切な濃度、量、方法で安全に施工を行いますが、一般の方が自分で薬剤を使用する場合、十分な知識がないまま不適切な方法で散布してしまうと、健康被害を招いたり、環境汚染につながったりする危険性があります。
特に、床下のような閉鎖された空間での作業は、換気が不十分だと薬剤が充満し、健康リスクを高める可能性もあります。
⑥ 住宅の資産価値低下につながるリスク
シロアリ被害を放置したり、不完全なDIY対策で被害が進行したりすると、住宅の耐久性は確実に低下し、資産価値を大きく損なうことになります。
建物を支える木材が弱くなれば、地震や台風といった自然災害に対する抵抗力も失われ、最悪の場合、倒壊のリスクも高まります。
将来的に住宅を売却する際、シロアリ被害の有無は重要な評価ポイントです。
適切な対策がなされていない、あるいは被害が進行した住宅は、買い手が見つかりにくくなったり、大幅な値下げを要求されたりする可能性が高まります。
目先の初期費用を抑えたつもりでも、長期的に見れば大きな損失に繋がってしまうのです。
賢い選択へ:自分でやる vs プロに頼む、費用と効果の比較
DIY対策で費用を抑えることの「落とし穴」
自分でシロアリ対策をすると初期費用は抑えられますが、これには大きな「落とし穴」があります。
市販品では巣の根絶が難しく、見えない場所で被害が進行し続けます。
結果的に、数年後に高額な修繕費用が発生したり、誤った薬剤使用で被害が拡大したりするリスクがあるのです。
目先の節約が、かえって大きな損失を招く可能性があります。
プロに依頼する費用相場と、確実な効果がもたらす安心
一般的な戸建て住宅(30~40坪程)の予防対策であれば、10万円~20万円程度が相場とされています。
もし既に被害が発生しており、駆除が必要な場合は、被害状況に応じて数十万円から、深刻な場合は100万円を超えることもあります。
確かにDIYに比べれば初期費用は高くなりますが、プロに依頼することで得られる「確実な効果」と「安心感」は、この費用に見合う、あるいはそれ以上の価値があります。
また、多くの信頼できる業者は、施工後に一般的に5年間の保証期間を設けています。
この保証期間内にシロアリが再発生した場合、無償で再施工などの対応をしてくれます。
長期的な視点で見た、プロに頼む費用対効果の真実
プロに依頼する初期費用はDIYより高くなりますが、その費用は確実な駆除と長期保証による安心を含みます。
プロの対策は巣を根絶し、再発リスクを大幅に低減。
これにより、将来の莫大な修繕費を回避でき、トータルコストを抑えられます。
住宅の資産価値維持や精神的な安心感も得られ、プロへの依頼こそが最も費用対効果の高い賢い投資と言えるでしょう。
まとめ
シロアリ対策を自分で行うことは出来ます。
ただ、自分で行うと費用を抑えることができることが魅力的ですが、効果や持続性が非常に限定的です。
自分で行う際の費用は数千円~数万円。
効果が限定的であり、効果の持続性は数か月~1年程度。
根本的な解決もできず、何度も行う必要があるため、結果的に費用や手間がかさんでしまう可能性があります。
さらに完全な対応はできず、不完全なDIY対策で被害が進行したりすると、住宅の耐久性は確実に低下し、資産価値を大きく損なうことになります。
プロに依頼した際の費用は
30坪~40坪の一般的な2階建ての一戸建て住宅ならば、10万円前後~20万円。
この費用と、プロによる対処と5年の持続性を考えると、長期的に考えたらやはりプロに頼む方が賢い選択と言えるでしょう。
シロアリ対策パートナーズでは、厳しい審査や、独自の施工基準、経営状況のチェックなどをクリアした優良企業をお客様にご紹介することで、「後悔しないシロアリ対策の業者選び」をサポートしています。
適切なシロアリ対策で、大切な家と家族を守り、安心して快適な暮らしを長く続けていきましょう。