乾材シロアリが新たな脅威!アメリカカンザイシロアリを徹底解剖
「シロアリは何で家を食べるの?」
「シロアリ予防対策のためにまずはシロアリの事を知りたい」
本記事はこんな方に向けてシロアリの特性や、好みなどから予防対策についての参考点やシロアリが食べない木材はないのかなど、日本で木造住宅に住む方全てに知っておいてもらいたいシロアリの生態を解説しています。
乾材シロアリとはなにか?
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
シロアリは加害習性から3つに分類されます。
- 日本の住宅に昔から被害を与え続けている『地下シロアリ』。
- 住宅に被害を及ぼさないので害虫ではない『湿材シロアリ』。
-
そして今回の『乾材シロアリ』です。
その名の通り、乾燥した木材を食べるシロアリです。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけてよく見られる乾材害虫で、日本へは家具や荷造り材などの中に潜んでいたののが輸入されてきたと考えられています。
かなり広範囲で被害が確認されており、南は沖縄から北は宮城県仙台市を最北限として被害が確認されています。
ダイコクシロアリ
世界の熱帯各地で最も恐れられている乾材害虫。
アメリカカンザイシロアリに比べて日本においての確認事例は、奄美諸島や小笠原諸島などの南部に限られているため、被害へ限定的ですが、暖房効率の向上とともに北上していく可能性があげられており、今後注視していく必要があります。
乾材シロアリの困った特徴
- ① 床下からやってこない
- ② 見つけにくい
- ③ 予防できない
それぞれもう少し詳しく説明します。
①乾材シロアリは床下からやってこない
日本で住宅に被害を及ぼすシロアリは主に2種類で、ミゾガシラシロアリ科の『ヤマトシロアリ』と『イエシロアリ』です。
この2種類のシロアリは上の分類で言う地下シロアリで、基本的には土中や枯死木中に巣をつくるので地下からやってきます。
だからこそ日本のシロアリ対策は床下への対策なのですが、日本国内で被害が確認されているレイビシロアリ科の『ダイコクシロアリ』と『アメリカカンザイシロアリ』は乾材シロアリで本当に厄介なことに土との関連は全くもたず、木材中に穿孔して小集団で生活しています。
②乾材シロアリは見つけにくい
地下シロアリである『ヤマトシロアリ』や『イエシロアリ』は蟻道という非常にわかりやすい移動の痕跡を作ってくれます。
ところが乾材シロアリである『ダイコクシロアリ』や『アメリカカンザイシロアリ』は、蟻道や巣を構築する能力がありません。
木材の内部をすこしずつ食べていくため、被害を発見するのが非常に難しいのです。
乾燥した俵状で表面に6本の溝がある糞を材木の表面にあけた小さな孔から外に落とすので、この糞を見つけることがほぼ唯一の発見チャンスとなります。
③乾材シロアリは予防できない
地下シロアリは地中からやってくるのでとにかく床下からの侵入を防ぐことができれば被害にあいません。
また『イエシロアリ』や『ヤマトシロアリ』は夏前の一定の時期だけ、有翅虫と呼ばれる羽が生えたものたちが新しいコロニーを形成すべく雌雄対となって巣から飛びたちます。(群飛と呼びます)
乾材シロアリは一年中いつでも群飛を行うことが確認されていて、屋根裏の小屋組部材など住宅の上部の部材に穿孔していってしまうため、予防のしようがないのが現状です。
乾材シロアリの調査方法
小屋組部材の被害が多いので、調査は屋根裏から行うことが基本となります。
もし被害が確認された場合、仮に長い期間被害を受けていたらその住宅では多数のコロニーが生息している可能性が高いため、一度の処理では完全な駆除が難しいため、その後の定期的な点検と都度の処理が必要となります。
アメリカカンザイシロアリのアメリカでの対処方法と日本の対処方法の違い
日本において注意しなければならない乾材シロアリは『アメリカカンザイシロアリ』な訳ですが、そのメッカのアメリカではどのように対処しているのでしょうか?
屋根裏の小屋組部材が被害箇所になりやすいこと、木材内部に潜伏しているため特定しにくいことから、日本ではゴキブリ対策のバルサンで有名な薬が煙上にあがっていく燻蒸剤で家じゅう処理するのが多く行われています。
しかし住宅密集している日本では馴染まず、薬剤散布による局所対策が主流となっています。
失敗しないシロアリ専門業者の探し方・選び方
シロアリ専門業者も千差万別です。鉄則は1社だけでは判断しないこと。
その提示価格が相場価格と比べて適正範囲なのか1社だけでは素人には判断ができません。
まずは無料の床下調査をしてもらうのですが、その際の所作、自宅への配慮の仕方、調査結果の報告の方法や詳細さを確認してみてください。
シロアリ予防対策の大半は床下での作業で自分でその仕上がりをチェックすることはできません。
極端なことを言えば全く何もしていないものもやりましたと報告されてしまえばわからない可能性があります。
床下調査に来た方が、工事当日も作業者になるケースは非常に稀ではありますが、やはり一事が万事という言葉あるように、ある程度相関があります。
自分の目で信頼に足る業者だと判断する為にも、床下調査時になるべく観察することをオススメします。